2026/09/14

分からないまま、答えない。|一人訪問で大切にしたい『確認してつなぐ』看護

精神科訪問看護は、体調だけを見る仕事ではありません

精神科訪問看護では、体調や服薬の確認だけでなく、その方が毎日の暮らしで気になっていることにも耳を傾けます。郵便物の内容が分からない、予定をどう整理すればよいか迷う――そんな小さな困りごとが、安心して一日を過ごせるかどうかに関わることもあります。

ここでは、訪問先で看護師がすぐに答えられない相談を受けたときの関わりを、架空の事例としてご紹介します。

「ここの連絡先がわからない」

ある日、訪問看護師のみなみは、利用者の鈴木さん(仮名)から一通の郵便物について相談を受けました。

鈴木さんは、届いた郵便物を一通ずつ確かめ、必要な予定を卓上カレンダーへ書いています。しかし、その案内には分からない部分があり、いつものように整理できずにいました。

「ここの連絡先がわからない」

みなみにとっても初めて見る案内でした。一人で訪問していると、その場で何でも答えなければならないように感じることがあります。それでも、確かでないことを推測で伝えるわけにはいきません。

みなみは鈴木さんに、何に困っていて、どこまで手伝ってほしいのかを確かめました。鈴木さんが求めていたのは、手続きの判断を代わってもらうことではなく、自分で問い合わせるための連絡先を知ることでした。

本人が決める部分を残したまま、チームにつなぐ

鈴木さんの了承を得て、みなみは個人情報ではなく発行元の名前だけを控えました。そして事務所へ戻り、先輩看護師や事務スタッフへ相談します。確認したのは、発行元の公式な問い合わせ先まで。案内の内容をどう判断し、次にどうするかは、鈴木さん自身が問い合わせて決められるようにしました。

翌朝、鈴木さんは自分で電話をかけ、確認した予定をカレンダーへ書くことができました。次の訪問で郵便物をいつもの場所へ戻す姿からは、特別な成功というより、普段の暮らしを自分の手に戻せた静かな安心が伝わってきました。

一人で訪問することは、一人で抱えることではない

訪問先では、予想していなかった質問に出会うことがあります。大切なのは、知っているふりをすることでも、看護師がすべてを代わりに決めることでもありません。

分からないことは分からないままにせず、本人が必要としている範囲を一緒に整理する。そして、必要な部分をチームへ持ち帰り、確かな情報につなぐ。こうした連携も、暮らしを支える精神科訪問看護の大切な役割です。

訪問看護ステーション シェアライフでは、一人で訪問する場面でも、分からないことや迷ったことを事務所へ持ち帰り、仲間と相談できる関係を大切にしています。

「一人訪問で、答えられない質問を受けたらどうするのだろう」と気になった方は、見学や採用相談の際に、実際の相談方法やチームの連携について気軽にお尋ねください。

このテーマをもとにした漫画は、Instagramでもご覧いただけます。
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